ゲーマーにとって、コントローラーは単なる道具ではなく、自己表現のアイテムとなっていく––。
2025年、「AIM1」「Void Gaming」などのゲーミングデバイスブランドを展開するAndGAMER株式会社と、プロeスポーツチーム「ZETA DIVISION」を運営するGANYMEDE株式会社はスポンサーシップ契約を締結し、コラボコントローラー「GENESIS ZETA DIVISIONモデル」を発表しました。
両者に共通するのは、日常にゲームを取り入れ、デバイスも生活の一部として楽しむ「ゲーミングライフスタイル」の考え方です。
今回のコラボコントローラー発売は、単なる製品開発に留まらず、ゲームカルチャーの新たな姿勢を提示する挑戦でもあります。その協業の裏側とゲームの未来について、GANYMEDEで事業開発を統括する千葉さまに、AndGAMER・COOでありスポンサーシップ責任者の石井が話を伺いました。
千葉哲郎さま / GANYMEDE株式会社 執行役員 事業開発部 部長
プロeスポーツチーム「ZETA DIVISION」を運営するGANYMEDE株式会社で事業開発部を統括。14部門・約100名のプロ選手のマネジメントをはじめ、コンテンツ制作、イベント、グッズ事業など幅広く展開する同社において、eスポーツの価値を社会と結びつける役割を担っている。
石井拓人 / AndGAMER株式会社 取締役COO
マーケティングや組織開発などビジネス領域全般を統括。2025年新発売のオリジナルコントローラー「GENESIS」プロジェクトではスポンサーシップ責任者としてコラボレーション全体を監修。多角的な視点で事業成長をリードしている。
“ユーザーファースト”ד強固なファンコミュニティ”が交わる瞬間
── 今回のプロジェクトを進めるうえで、お互いをどのような存在として見ていましたか?
千葉さま:特にコントローラーブランド「Void Gaming」の存在感は業界内でも際立っていると感じていましたね。

デザインや機能の精度の高さはもちろん、コラボレーションで選ばれるチームやインフルエンサーのチョイスが非常に「理解(わか)ってる」んですよね。
ゲーム業界は、まだまだプロダクトアウト的な発想が多い中で、ユーザー目線を徹底されている点が素晴らしいと思っています。
石井:うれしいです。「ZETA DIVISION」は、国内eスポーツシーンを牽引するトップランナーです。特に、ブランドへのこだわりが非常に強く、PR案件ひとつ取っても「ストリーマーのイメージに合うか」を丁寧に判断される。
そのスタンスは、所属タレントを大切にし、ファンの熱量を何より重視しているからこそだと思います。他にはない独自性を持つ組織としてリスペクトしています。
── どのような経緯でコラボに至ったのでしょうか?
石井:「いつかご一緒したい」とずっと思っていたチームだったんです。スポンサーシップ契約の話が進む中で、GANYMEDE代表の西原さんと食事をご一緒した際に「コラボコントローラーなんて面白いかもしれない」と話題に挙がって。

ちょうどVoid Gamingの完全オリジナルコントローラー「GENESIS」の開発途中だったこともあり、最初のコラボ相手としてこんなにふさわしいブランドはいないんじゃないかと感じました。ZETA DIVISIONは濃いファンコミュニティが確立されていて、きっと手に取ってくれる方も多いはず。そこから、コラボコントローラー開発の話が進んでいきました。
千葉さま:自分たちのブランディングが施されたデバイスがつくれるなんて、夢のようでしたね。全ゲーマーの憧れと言っても過言ではないと思います。Void Gamingのプロダクトのクオリティなら安心して任せられる。推進しない選択肢はありませんでした。
真に求められるプロダクトとは?妥協なき開発の裏側
── 今回販売するコラボコントローラー「GENESIS ZETA DIVISIONモデル」について教えてください。
石井:ベースとなった「GENESIS」は、手頃な価格ながら高いカスタマイズ性や独自のクリック感など、必要な機能を凝縮した“無駄のない一台”。幅広いゲーマーに使っていただくことを想定して開発したモデルで、特にクリック感にこだわっています。

社員の全員がゲーマーであるAndGAMERだからこそ実現できた、“ゲーマーの心理を知り尽くした”コントローラーです。
千葉さま:ZETA DIVISIONモデルは、実はグラフィックデザイナーの経歴を持つ弊社代表の西原が自らデザインを手がけているんです。「世界のどこに出しても恥ずかしくないものを」という熱い想いが詰まっています。パッケージも特別仕様にしていただき、手に取った瞬間からZETA DIVISIONの世界観を感じてもらえると思います。
石井:パッケージまでコラボ仕様にするのは、AndGAMERでも初めての試みなんですよ!
── 開発・リリースにあたってどのようなプロセスを辿ってきたのでしょうか?
石井:「GENESIS」自体の開発期間は約1年半。完全オリジナルコントローラーということで、これまでにない規模感での開発となりましたね。
技術チームは海外の工場と日本を毎月行ったり来たりしながら調整を重ねてきて。本当に細かい部分でも妥協せずにこだわっていたので、スケジュールが間に合うか毎回ひやひやしながら技術チームの帰りを待っていました。今、ようやく最終調整が終了し、量産体制に足を踏み入れた段階となってホッとしています。
コラボコントローラーについては、千葉さんのご尽力もありスムーズに進められたと思います。西原さんの素晴らしいデザインをベースに、微調整を重ねてきているので、早く皆さんに手に取ってほしいですね。

千葉さま:「ZETA DIVISIONのファンに刺さるコントローラーとは?」という問いを軸に、意見交換を繰り返して、想像以上のコントローラーをつくっていただきました。チームカラーのネオンイエローも、正直プロダクトで正確に出すには難しい色だと思っていましたが、綺麗に乗せていただいてうれしかったです。
── 印象的だったエピソードはありますか?
千葉さま:そうですね…正直、最初にCG画像をいただいたときは、ファンの皆さんに喜んでもらえるか心配だったんです。ちょっと厚みがある点が気になっていて。今回プロモーションにメインで出演してもらっているZETA DIVISION所属ストリーマーのk4senも、当初は同じような懸念を持っていました。
でも、石井さんが試作品を持って会いに来てくださって。実物を触った瞬間、その不安は払拭されました。画像で見るよりもシャープな形状で、洗練されたフィット感があったんです。k4senも非常に気に入ってくれて、PRしたいポイントを自らたくさん提案してくれました。

石井:やはりストリーマーの方に心から「いい」と思って、使ってもらえるプロダクトじゃないと意味がない。千葉さんも同じ考えを持たれていたので、「触ってから判断してほしい」と、会社にお邪魔させていただきました。
リリースの反響を受け、初回生産量を5倍に。
── 「GENESIS ZETA DIVISIONモデル」の予約を開始した8月には予想を上回るほど大きな反響があったと伺っています。
千葉さま:まず、社内の盛り上がりが圧倒的でした。プロダクトを直接目にしたZETAスタッフの多くが「これいつから買えるんですか?」「社割はあるんですか?」など、ポジティブな声が多く挙がっていました。経験上、社内の熱量が高いプロジェクトは成功するという確信があったので、ホッとしました。
石井:予約開始と同時にリリースしたk4senさん主演のPVの反響もすごかったですね。
ゲームが生活の一部になっている「ゲーミングライフスタイル」の空気感を表現した映像となっていて、私たちが目指したいゲームの未来をしっかりと受け止めていただけた実感がありました。
予約数も想像以上で、反響を受けて初回生産量を当初の5倍に増やしたほどでした。
スポンサーシップ契約締結とコラボコントローラー発売という大きな発表を、SNSやリリース記事に加え、PVやメディア向けイベントなど多角的に打ち出せたことで、盛り上がりをしっかりと後押しできた手応えがあります。
── 今回のコラボを振り返ってみていかがでしたか?
石井:「ゲーミングライフスタイル」という新しいカルチャーを、両社のファンに浸透させていくうえで、今回のコラボは大きなインパクトを与えられたと感じています。
お客さまの元にコントローラーが届くのはまだ先ですが、PVを含め、私たちだけでは難しかった表現でメディアリリースを打ち出せたのもありがたかったですね。

千葉さま:やはり、どれだけファンの皆さんが望んでいても、私たちだけではコントローラーをつくることはできなかったので、これまでタッチできなかった領域にエントリーできた実感があります。
それが、AndGAMERという最高のパートナーとともに臨めたことがうれしかったです。
── あらためて、お互いの“強み”や“魅力”について感じたことがあればぜひ教えてください。
千葉さま:AndGAMERはいい意味で若い。フレッシュな感覚と、軽やかなスタンス、そしてプロダクト開発への情熱を感じました。考え方や働き方など、刺激になる部分も多かったですね。
石井:その私たちの無邪気なご提案をすべて受け止めて、建設的な意見を返してくださったのが千葉さんです(笑)。すべての決定にこだわりを持って、妥協なく開発を進めていけたのは千葉さんのおかげだと思っています。
千葉さま:あとは、共通言語が多く、コミュニケーションがスムーズだったことがよかったですよね。二社とも“プレイヤーファースト”の価値観を大切にしていて、同じ方向を見ながら協業できたのは価値ある経験でした。
“ゲーミングライフスタイル”カルチャーの浸透を目指して
── 今回のコラボを受けて、今後どのような展開を期待していますか?
石井:今回は「ZETA DIVISION」チームモデルのコントローラーでしたが、将来的にはストリーマー個人モデルも展開できたらおもしろいですよね。ストアにいらっしゃるお客さまから、直接要望をいただくこともあるんですよ。

千葉さま:いいですね!まずは“第1弾”を楽しんでいただいて、デザインバリエーションを展開できたらファンの皆さんも喜んでくれるはず。実現のためにも、声をどんどん挙げていただきたいです!
石井:エゴサも毎日しているので、皆さんの声、届いています!
千葉さま:あとはコラボイベントなんかも楽しそうですよね。ゲームデバイスに限らず、お互いの強みを活かしてこれまでにない価値を生み出していきたいです。
── 最後に、お二人が描く「ゲーム」の未来についてぜひお聞かせください。
石井:ゲーム人口はこれからも増え続け、配信カルチャーの浸透にともなって視聴者層も広がっていきます。いわゆる「推し活」のように、ストリーマーやeスポーツチームを応援することが生活の中心になる人も増えてきました。
私たちが考える「ゲーミングライフスタイル」では、コントローラーや周辺機器も、ただの道具ではなく、自分の個性を表すアイテムです。こうした未来を見据え、今後もユーザーが自分らしくゲームを楽しめるプロダクト開発を続けていきたいです。
千葉さま:まったく同感です。ZETA DIVISIONも、単なるeスポーツチームではなく、「ゲーミングライフスタイルブランド」として活動しています。

プレイする、観る、応援する、語る––コロナ禍を経て、ゲームの楽しみ方はより多様化していきました。その勢いを受け、ゲームは音楽やスポーツのように“文化”として定着していくはず。
音楽好きがこだわりのヘッドホンを買うように、オリンピックを見てスケボーを始めるように、ゲームに触れた人が自分のスタイルに合ったデバイスを手に取る。このコントローラーが、そんなゲーミングライフスタイルへの入り口になれたらうれしいです。
そしてZETA DIVISIONは、世界で勝つ。競技成績はもちろん、ブランドとしても世界中のファンに「強くて、かっこいいチーム」として認知されることを目指します。今回のコラボは、その大きな一歩になりました。
