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ゲーマーのライフスタイル革命へ── 5年で3ブランド展開・2億円調達を実現しグローバル展開を狙うAndGAMERとは

「“ゲーマー=RGB虹色ライト”の固定概念を覆したい── 」

そう語るのは、ゲーミングデバイス分野で急成長中のスタートアップ、AndGAMERのCEO・上森 翼だ。

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AndGAMER CEO 上森 翼

高校生時代の自作コントローラーから始まり、5年で「Void Gaming」「AIM1」「VIZARD CLUB」の3ブランドを展開。

2024年には世界的eスポーツチーム・FNATICのAPEX部門とスポンサー契約を結ぶまでに成長し、総販売数は3万台を超えた。

5月に2億円の資金調達を実施したAndGAMERは今、単なるゲーミングデバイスメーカーを超えた「日本発のゲーミングライフスタイルカンパニー」としてグローバル展開を目指している。

本記事では、CEOの上森VC(投資会社)出身のCOO・石井拓人との対談形式で、その野望を紐解いていく。

代表取締役CEO 上森 翼(かんもり つばさ・23歳)
中学時代からAmazonやメルカリで物販を行う。地元の高校を卒業後、アイシン精機(当時)に就職。就職約半年後に退職し、祖業となるVoid Gamingを創業。2021年には年間売上1億円を突破。2022年3月に事業を法人化し、AndGAMER株式会社を設立。一番好きなゲームは「COD BO2」と「レインボーシックスシージ」。休日はジムかサウナに行ったあと、ファミレスに行くのがブーム。

取締役COO 石井 拓人(いしい たくと・28歳)
東北大学工学部卒業後、同大学大学院医工学研究科を修了。新卒で独立系ベンチャーキャピタルのインキュベイトファンドに入社し、国内外のスタートアップへの新規投資を担当。AndGAMERへの投資検討も進め、その後取締役COOとして同社に参画。現在は、ビジネスサイドの総括を担当し、事業・組織戦略の立案やマーケティング総括に従事。一番好きなゲームは「League of Legends」。休日は友人ともっぱらサモナーズリフトに赴いている。

“生粋のゲーマー”がスタートアップを起業した理由

── 上森さんの、起業までのストーリーを教えてください。

上森:
小学生時代に兄のPS3でFPSをプレイさせてもらう機会があり、ゲームの内容やグラフィックのクオリティの高さに感動したのがきっかけです。小6で自分専用のPS3を手に入れてからは、FPSにどハマりしましたね。

中学時代はメルカリやAmazonで、物販ビジネスに打ち込んでいました。

最初は、海外サイトでしか手に入らないゲーム関連のアイテムを売っていたんです。でもYouTubeやブログで勉強するうちに、中国から仕入れると利益率が上がると知って、マウスパッドやスマホ関連製品を中国から仕入れるようになって。

次第に、より単価の高い海外製のゲーミングデバイスを販売するようになったんですよね。

石井:上森のそうしたバックグラウンドを聞いたとき、率直に「すごいな」と思いましたね。中学生で経営の知識もまだ十分にないなか、行動力も意思決定のセンスも抜群だなと。

上森:今自宅で使っている58インチのテレビは、高1のときに自分の収入で買ったものです(笑)。純粋に、お金を稼ぐのが好きだったんだと思います。

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左: AndGAMER CEO 上森 翼/右: COO 石井 拓人

上森:高校時代にPS4で「Apex Legends」をプレイしていたとき、もっと強くなれるコントローラーはないかと探していたんです。そこで海外製のカスタムコントローラーを使ってみたら、純正とは比べものにならないほどパフォーマンスが上がって。

19歳のときにPS5が発売され、PS5用のカスタムコントローラーがどこにも売っていなかったので「じゃあ、自分でつくるしかない」と思いました。製作技術はなかったですが、海外サイトで調べてなんとか完成させたんです。

最初に自作したものはDIY感がありましたが、「日本製のカスタムコントローラーがもっと市場に出回ってもいいのに」と思い、PS5発売の翌月に、AndGAMERの前身となる「Void Gaming」を立ち上げました。

「ゲーマー×元VC」異色タッグが創る20代中心の独自組織

── まったく異なる経歴を持つお二人が、なぜタッグを組むことになったのでしょうか?

石井:VC勤務時代に、新規投資先としてゲーム市場に興味を持っていました。

多くの市場はビジネス経験者や業界のベテランなどを中心に成り立っています。そんななか、ゲーム市場はユーザー理解度が高い分、若い世代が活躍しやすい稀有な分野だと考えていました。

2023年、投資案件を探していたところAndGAMERの存在を知り、サイトを一目見ただけで「ブランドの世界観がめちゃくちゃイケてる」と感じました。

上森:2023年の春ごろ、石井から「VCからの資金調達に興味はありませんか?」とDMをもらったんです。

石井:上森と実際に会ってみると、彼の人柄にもビジネスセンスにも惹かれました。VCから出資した半年後、AndGAMERがCOOを探していると知って、「ぼくが行けばいいんじゃないか?」とピンと来て転職を決めました。

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── 思い切った決断にも思えますが、迷いはありませんでしたか?

石井:上森には商売人としてのセンスがあり、ぼくは上森のアイデアをビジネスや数字に落とし込むことができます。「上森となら世界を狙える」と確信したので、迷いはありませんでした。

しかもゲーミングデバイスは、日本が強いエンタメ・IP領域であるうえに言語要素(テキストや音声)が少なく、どの国の人も同じように操作できます。言語の壁がないぶん、グローバルにも進出しやすい。

COOとなった今では、目先の売上よりもブランドの世界観をじっくりつくり上げること、「ゲーマーの感情をどう動かすか」といった体験の設計を大切にしています。

ファッションからフード、インテリアまで。ゲーマーの日常を彩る“ライフスタイルブランド”へ

── ゲーマー目線で「理解(わか)ってる」プロダクトづくりにこだわっていますが、その理由を教えてください。

上森:今までのゲーマー向けの製品って、RGB虹色ライトを搭載したものが主流だったんですね。マウスもキーボードも、多くがカラフルに光るデザインでした。海外のゲーミングデバイスブランドの影響が大きいと思います。

でもぼくは「別に光らなくてもいい」と思っていたんですね。ただほしいデザインが市場になかったので、2023年12月に、「AIM1」というミニマルデザインのゲーミングデバイスブランドを立ち上げたんです。

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「AIM1」は発売翌年の2024年10月から約4カ月で、毎月の売上高が6倍に。「機能性を高めつつゲーマーに納得してもらえるデザインを目指しました」(上森)

── 今後のビジョンについてもお聞かせください。

石井:ゲーミングデバイスにとどまらず、アパレルや空間設計といった領域にも挑戦し、「日本発のゲーミングライフスタイルカンパニー」となるべく新ブランド・プロダクトの開発に積極投資していきます。

上森:昔はゲーマーといえば「家に引きこもってゲームばかりしている」と暗いイメージを持たれがちでしたが、最近は「デスク環境を自分好みのカラーに統一する」など、ゲーマーが個性を表現しようとする動きが出てきています。

そこでAndGAMERは、デバイスを超えて、彼らが個性を表現できるファッションや、ゲームの世界観に浸れるフードやドリンク、リラックス空間を演出するインテリアまで、ゲーマーのライフスタイル全体をデザインしていきたいと考えています。

ゲーマー目線で「こういうのがほしかったんだよね!」と視野が広がるプロダクトを生み出していきたいですね。

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石井:5月に新たに資金調達を実施した際、韓国に強いネットワークを持つロッテベンチャーズを含む、さまざまな企業から出資いただきました。

今後はゲーマー向けライフスタイルブランドとして、韓国をはじめ、よりグローバルに展開していきます。

上森:2024年には世界的eスポーツチーム・FNATICや、人気ストリーマーが率いるRIDDLEとのコラボ製品を発売しました。

最近も漫画「チェンソーマン」のエンディングを手がけたイラストレーター・coalowl氏と、「AIM1」のコラボ製品を展開しているんです。

eスポーツチームやクリエイターとのコラボレーションに加え、人気IPとのコラボも積極的に行っていきたいですね。

なぜ20代ゲーマーの組織が急成長しているのか

── AndGAMERのメンバー構成や、組織のカルチャーについて教えてください。

上森:現在は30名ほどのメンバーが、マーケティング、商品企画、製造、カスタマーサポートの4部門に分かれて活動しています。

マーケティング部門には「Call of Duty」の元日本一プレイヤーがいますし、商品企画部門には、FPSプレイヤー向けのエイムトレーニングゲーム「Aim Lab」で世界30位になったメンバーもいます。

組織の特徴としては、20代の若手が中心で、しかもほとんどがゲーム業界・ビジネス未経験者というところですね。

石井:組織づくりで意識しているのは、「私たち自身が一番のユーザーであるべき」ということです。

たとえばあるメンバーが「ストリートファイター」にハマっていて、5万円以上する専用のコントローラーについて熱く語ってくれるんです。

すると自然に「新しいコントローラーブランドを立ち上げたい」という話になり、それを実現するために、ぼくら経営層もビジネス面でしっかりサポートします。

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上森:全員が生粋のゲーマーなので、「こんな機能がほしい」「この機能は余分だよね」といった意見が自然と飛び交うんですよ。ぼく自身は最近「VALORANT」やVRChatをよくやっています。

石井:ぼくは休日だと夜10時から朝8時まで「League of Legends」に没頭することもあります(笑)。

AndGAMERの強みは、「生粋のゲーマーがゲーマーのためにつくる」情熱とスピード感。だからこそ、ゲーマーに刺さるプロダクトが生まれるんだと思います。

── 絶賛採用を強化中ですが、このnoteを読んでくれている採用候補者にメッセージをお願いします。

上森:ゲームへの情熱やこだわりのある方にぜひ来てほしいですね。経験の有無は問いません。「ゲーマーの価値観を変えたい」と思っている方や、おもしろいアイデアを持った方と一緒に働きたいです。

石井:AndGAMERは、メンバーにとって、遊び心や創造性が自然と生まれる「プレイグラウンド(遊び場)」になることを目指しているんです。

「アイデアを形にしたい」と考えている方は、きっと当社のカルチャーに合うと思います。入社後すぐにブランド責任者になる可能性も十分にあります。想いさえあれば、まずは一度話を聞きに来てください

♦AndGAMER株式会社では、一緒に働くメンバーを募集しています!
https://andgamer.co.jp/recruit/

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