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“0.1mm”が勝負を分ける世界── 元eスポーツ選手のAndGAMER開発者が語る「感覚を形にする」開発哲学

“0.1ミリ”が勝負を分けるFPSの世界で「感覚」を形にできるか── 

こう使命を語るのは、急成長中のゲーミングライフスタイルカンパニー・AndGAMERで「AIM1」のプロダクト企画をつとめる永田 大葵だ。

AndGAMERは、カスタムコントローラーブランド「Void Gaming」をはじめとするゲーミングデバイスを展開している。

総販売台数は3万台を超え、「AIM1」は洗練されたデザインと機能性を追求したPCゲーマー向けブランドとして、国内外に熱烈なファンをもつ。発売翌年の2024年10月から約4カ月で、月間売り上げは6倍に成長した。

畳店勤務、eスポーツ選手など異色の経歴をもつ永田は、なぜ27歳でAndGAMERへの入社を決めたのか。ゲーミングデバイス開発者となった経緯や、開発へのこだわり、ともに働く仲間への想いを聞いた。

プロダクト企画 永田 大葵(ながた たいき・30歳)
地元の高校を卒業後、大手自動車メーカーに就職。2年後に退職し、実家の畳屋を手伝いながら、趣味として本格的にFPSゲームをプレイ。ゲームへの深い造詣とプレイヤー視点を武器に、AndGAMERでは製品設計・検証を担う。形状や操作性といった感覚を言語化し、製品に落とし込む開発アプローチを得意とする。現在もFPSプレイヤーとして、各FPSタイトルで高ランク帯までゲームをやりこむのが日課。好きなゲームは「Apex Legends」と「Overwatch」。終業後は、マウスやマウスパッドのテストに時間を費やすのがルーティン。

元畳職人、Apex最高ランクの元eスポーツ選手がなぜAndGAMERに入社したのか

── 現在、AndGAMERの開発体制はどのようになっていますか。

「AIM1」の開発チームはぼくとCEOの上森さん含めた3名で、別途PR・マーケティング担当者も2名います。

とはいえ、少数精鋭のスタートアップなので、厳密には部署や担当業務の境目は柔軟なんですよね。社内、そしてチームでディスカッションしながら開発を進めています。

── 永田さんの主な業務内容を教えてください。

ユーザーやeスポーツ選手の声をもとにした製品企画から海外工場とのやりとり、試作品のテスト・改良まで、「AIM1」のプロダクト開発全般を担当しています。

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ゲーミングキーボードの「瞬(またたき)」やワイヤレスマウスの「時雨(しぐれ)」、ガラスマウスパッド「叢雲(むらくも)」などの製品を企画・開発してきました。

── AndGAMERに入社した経緯を教えてください。

もともと新卒で大手自動車メーカーで働いていました。ゲームは子どものころから好きでしたが、社員寮で生活していたので、当時はまったくできませんでしたね。

その後22歳で、自営業の父の手伝いで畳店に勤務していたとき、友人の誘いでPCゲームをやったんです。その奥深さとおもしろさに感動して、PUBGの選手として活動するようになりました。

── もともとeスポーツ選手をされていたのですね!

2年ほど選手をしていました。その際に感じたのが、海外製のゲーミングデバイスが日本人の手にフィットしづらいことへの課題感でした。

ApexやVALORANTもよくプレイしていたのですが、これらのFPSは、デバイスの形状や精度の0.1ミリ単位の違いで勝敗が決まってしまう世界なんです。でも、日本人ユーザーの“感覚”に細部まで寄り添った製品がなかったんですよね。

27歳のとき、求人でAndGAMERを見つけて応募しました。上森さんとの面談で「Apexのランクはいくつですか?」といきなり聞かれて、「こんな会社があるんだ!」と驚きました(笑)。

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左:CEO 上森翼氏、右:永田氏

最高ランクの「プレデター」と答えましたが、志望動機なんて聞かれたかも覚えていないくらい、この質問が印象的で。ここなら自分のゲーム経験が活かせると直感したんです。

入社後に「Void Gaming」を実際に触ったとき、背面ボタンの位置やスマートトリガーのクリック感まで、本当にユーザー目線でつくられていると実感しました。これは必ず業界で注目されると確信しましたね。

数値と感覚のバランスがカギ──  ゲーミングデバイス開発者への歩み

── 入社後、商品開発者になるまでの経緯を教えてください。
入社直後はカスタマーサクセスとしてお客さまの問い合わせ対応をしていました。

2年ほど経ち、上森さんから「AIM1の発足にあわせてPCゲーマー向けのデバイスも手掛けたい。開発に携わってみない?」と声をかけられ、商品開発部門に移りました。ゲーミングマウスの開発に興味があったので、率直にうれしかったですね。

本格的な製品開発経験はありませんでしたが、常に「理想のデバイスとは何か」「実現するにはどうすればいいか?」を考えるクセをつけたり、海外工場に「こういうのってできますか?」と何度も確認したりしながら開発のスキルを身につけていきました。

── ゲーミングデバイスの開発はどのような流れで進むのですか。

製品によっても異なりますが、「企画→プロダクトデザイン→機構設計→検証→製品化」といった流れで進むことが多いですね。

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検証では、社内メンバーやインフルエンサーの方に試作品を使ってもらい、フィードバックをもとに改良を重ねていくんです。

多くの意見が出るなかでどうフィードバックを取り入れるかは毎回悩みますが、大前提として、ゲーム内でスコアが出るか、強くなれるかどうかを判断軸にしています。

── 開発で譲れないポイントはありますか?

これはぼくの開発哲学ですが、改良する前に製品の“核”を決め、そこだけは絶対にぶらさないようにしています。

たとえば、つかみ持ちに特化したワイヤレスマウス「時雨」は、長い時間をかけて完成させた思い入れの深いデバイスです。

マウスの握り方はゲーマーによって「かぶせ持ち」「つかみ持ち」「つまみ持ち」の主に3種類に分かれるのですが、つかみ持ちのユーザーが多いので、「時雨」はつかみ持ちの際の手のひらにフィットすることが核になる。

だから、「ボディの後部に高さを持たせる」点だけは妥協しませんでしたね。

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AndGAMER『時雨 – SHIGURE- 』

もうひとつのこだわりは、“数値と感覚”のバランスを取ることです。

3D CADツールに理想の数値を入力すれば見た目上のデザインは完成しますが、実際に試作品を使ってみると「なんか違う」と感じることがあるんです。

これは数値では解決できない、ゲーマーならではの“感覚”の問題なんですよね。だからこそ、自分が納得するまで何回も修正を重ねていきます。

触ったときに自分が納得できるか。ゲーム内で強くなれるか。両方を満たして初めて、製品化の基準をクリアできると思います。

オフィスでVALORANTが始まる。ゲーマー集団ならではの社内カルチャー

── AndGAMERならではの社内カルチャーはありますか?

愛知県豊田市のオフィスでは、基本的にみんなが出社して働いており、部署や年齢・役職の垣根を超えてゲームの雑談が飛び交っています。

試作品が完成すると、オフィスに3台設置されているゲーム用PCで代わる代わる試したりと、「社内全員がゲーマー」だからこその社内文化があると感じています。

── 「AIM1」の開発チームでは新メンバーを募集中です。どんな人と一緒に働きたいですか。

プロダクトデザイン、または機構設計ができる方がいればぜひお話ししたいですね。

ゲーミングデバイスやハードウェアに詳しいことが前提ですが、特に、デザインからクレイモデル制作、3Dデータ化まで経験のある方だと開発がよりスムーズになります。

海外工場とのやりとりが多いので、英語や中国語のできる方も歓迎です。

とはいえ、ぼくも入社時は英語がぎりぎりで、中国語はさっぱりでした。今も翻訳ソフトに頼りながら相手の伝えたいことを理解しようと必死です。

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でも何より、ゲーミングデバイスやハードウェアが好きなことが大切。好きだからこそ、妥協せずにいい製品をつくりたいと思えるからです。

“感覚”を形に。理想のデバイスを自分の手で生み出す

── ゲーミングデバイスの開発を通じてどんな未来を実現したいですか。

ゲームが一部のユーザーの趣味ではなく、運動や読書と同じくらい一般的なものになればいいなと思っています。「寝る・食べる」と同じレベルでゲームが生活に根ざした世界をつくるのが夢ですね。

ぼくの中でゲームはスポーツと同じ。その幸せや楽しみを、たくさんの方と共有したいです。

── 最後に、入社希望者の方へのメッセージをお願いします。

AndGAMERは、役職に関係なく「こんなことがやりたいんです」と言えばどんどん任せてもらえる環境です。

ぼくも最近、すべての機能に極限までこだわった高級ゲーミングキーボードの開発を提案したら、「よし、やりましょう!」と採用してもらい開発を進めています。

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スピード感のある職場なので、完璧でなくても「こういうのやりませんか?」とすぐに行動できる方はきっとマッチするのではないでしょうか。

そして開発チームで一緒に働く方には、使ったときの“感覚”をどんどん言葉にして伝えてほしいですね。

募集職種はプロダクトデザイナーですが、役職にとらわれず「自分の手でプロダクトを形にしたい」という熱い想いのある方と一緒に、ゲーマーに寄り添った製品をつくっていきたいと思います。

少しでもAndGAMERに興味を持ってくださった方がいれば、まずは気軽にお話しできれば嬉しいです!

♦AndGAMER株式会社では、一緒に働くメンバーを募集しています。

▼プロダクトデザイナー / インダストリアルデザイナーの採用ページ
https://open.talentio.com/r/1/c/voidgaming/pages/106768

▼AndGAMER採用ページ
https://andgamer.co.jp/recruit/

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